ホロノーム系と非ホロノーム系

 今回のテーマは、「拘束条件」についてです。拘束条件は、力学変数をx^i \left(i=1 \sim N\right)とすると、一般に微分形で与えられ、次のように表されます。


\omega_{\alpha} \equiv a_{\alpha i}\left( x,t \right)dx^i  + b_{\alpha}\left(x,t\right)dt=0,\ \left( \alpha=1\sim k \right) \tag{1}

 ここで、\alphaは拘束条件の番号を表す添え字で、kは拘束条件の数です。 a_{\alpha i}  b_{\alpha } x^iと時間tの関数で、 a_{\alpha i}\left( x,t \right)  a_{\alpha i}\left( x^1,x^2,\cdots,x^N,t \right) の略記です。

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静電誘導

 今回は、「静電誘導」についてです。前々回の鏡像法で扱った例(xy平面を境界としてz<0に広がる導体)から実際に導体表面に誘起される電荷密度を求めていきたいと思います。


鏡像法の例では、仮想電荷を用いると静電ポテンシャルは、

\phi( \boldsymbol{r} ) = \frac{q}{4\pi \epsilon_0 \mid \boldsymbol{r} - \boldsymbol{r}_0 \mid} - \frac{q}{4\pi \epsilon_0 \mid \boldsymbol{r} + \boldsymbol{r}_0 \mid } \tag{1}
となりました。

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ポアソン方程式と境界値問題

 今回のテーマは、「ポアソン方程式と境界値問題」についてです。前回、静電場における境界値問題を扱いましたが、そこでさらっと流していたポアソン方程式の解の一意性を解説していきます。


ポアソン方程式の境界値問題が一意的な解をもつとは、

ある閉じた領域Vの中で与えられた\rhoを含むポアソン方程式があって、境界条件として\phiの値か{\partial \phi}/{\partial n}の値がその領域Vの表面Sで与えられているとき({\partial}/{\partial n}Vを囲む閉曲面の法線微分を表す)、これら同じポアソン方程式境界条件に従う2つの関数\phi_1\phi_2は、恒等的に等しい。

ということです。


そこで、今回はこのことを証明していこうと思います。

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鏡像法

 今回のテーマは「鏡像法」です!

静電場が、

{\displaystyle
\begin{eqnarray}
 \left\{
  \begin{array}{l}
   \nabla \cdot \boldsymbol{E}(\boldsymbol{r}) = \frac{ \rho(\boldsymbol{r}) }{ \epsilon_0 } \\
   \nabla \times \boldsymbol{E}(\boldsymbol{r}) = 0
  \end{array}
 \right.
\end{eqnarray}
}

を満たすというのはご存知だと思います。


 この1階の微分方程式を解くためには境界条件が必要となります。逆に、境界条件を与えれば、解は一意にきまってしまうということです。
 静電場の境界値問題は特殊解を求めるとそれが唯一の解になるので、さまざまな方法を用いて解くことが可能となります。
 与えられた境界条件のもとで、解析的な方法で静電場の境界値問題を解く一般的な方法は存在しませんが、特殊な状況においては解析解を求める方法が存在します。

  1. 鏡像法
  2. 複素写像を用いる方法

などです。今回は、この1.鏡像法について紹介していきます。

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磁気双極子のつくる磁場

 みなさん、こんにちは!今回は、僕が大学の授業で使っていた砂川重信先生の「電磁気学」という教科書の行間を埋める作業をしていきます。僕はこの教科書を授業で使うと知ってから、授業の進度よりさきに自分のペースで読み進め、独学状態のような感じでした。その際に、いくつか躓いた点がありましたので、ここで解説をしていこうと思います。このブログを見ていただいた方にも、同じようなところで躓いている方がいれば、参考になるかと思います。

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支点が動く振り子 解説3

解説3

 みなさん、こんにちは。今回は前回から続いて、問題の最後を解説していきます。
問題3は、実際にハミルトンの正準方程式を解いて、微小振動における振動数を求めるというものです。

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支点が動く振り子 解説2

解説2

 みなさん、こんにちは!今回は前回の続きで問題の2番を解説していきます。
問題2は、ハミルトンの正準方程式を求めるものです。方程式の形を確認してから、実際に計算に入り、解いていきます。

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